2012年
12月06日

2012年11月11日(日)ドビ流しが行われました。

こんにちは!
“FMちゃお”の木場竜也です。

先月11日、大阪経済法科大学の花岡キャンパスにて市民環境講座/ドビ流し』が行われました。
この花岡キャンパスにある“ふれあい池”には、絶滅危惧種である「ニッポンバラタナゴ」という魚が生息しており、2006年から毎年この時期になると「ドビ流し」が行われています。
この「ドビ流し」というのは、池の水を全て流してしまうことです。そうやって、池を一度乾かして、ニッポンバラタナゴが生きていく環境を整える目的で行われています。

そのドビ流しが行われる前、午前10時からは市民環境講座が行われ、大阪経済法科大学の非常勤講師であり、ニッポンバラタナゴ高安研究会代表の加納義彦先生によるお話がありました。予定では池の横で行われるはずでしたが、雨の影響で室内にて行われました。会場には、親子で参加されてる方など約30名ほどの参加者がいました。
講座の中では、ニッポンバラタナゴについて、どういう生き物なのか、どうやったら繁殖させることができるのかなどのお話や、これまでの活動報告、そしてこの後行うドビ流しについても説明してくださいました。
写真やスライドショーを使った丁寧な説明で、わかりやすく教えてくださいました。

その後、池に行きドビ流しを行いました。

ドビ流しを行うために、まずは池に生息している生物達を別に移す作業が行われました。地引網を使って、すくいだしていきます。
その後は水を抜きながら休憩をはさみ、「ドブ貝」を探し出していました。

ほとんどの水がなくなった頃にさらに網を使って残った魚をすくいだします。

最後は、ポンプを使い放水をして、底に溜まったヘドロを流す作業が行われました。

地引網は2回引いたのですが、1回目、約10人ほどで網を引いていくと大量のニッポンバラタナゴが出てきました!絶滅危惧種といわれているのに、あんなに沢山現れるのを見ると驚きます。

しかし、2回目はそれほど多くいませんでした。どうやら昨年のドビ流しの時に比べると、かなり減少しているようでした。(昨年は2万以上→今年は1万弱)
ニッポンバラタナゴはドブ貝に卵を産み付けるのですが、そのドブ貝がかなり減っていたようです。(昨年約5千→今年5百)それが、ニッポンバラタナゴが減少した原因だろうと言われていました。
その一方で、「ヨシノボリ」というハゼの仲間はかなり増えていたようで、約2万匹いるのではということでした。

このヨシノボリは、ドブ貝が寄生するのでドブ貝が繁殖していくためには欠かせない存在なのですが、生まれたばかりのニッポンバラタナゴの稚魚を食べることがあるので、それも原因ではないかとのことです。
それ以外には「スジエビ」というえびの仲間が多く居ました。そして、かつて多く居たブラックバスやブルーギルは全く居ませんでした。アメリカザリガニなどの外来種もほとんど見られませんでした。

今回このような結果になったのには、一昨年と昨年のドビ流しでは完全に水を抜いて池を乾かさなかったからだとの見解がありました。しかし、だからと言って毎年行っても増えすぎてしまって大変なことになる。2年に1度のペースで完全なドビ流しを行えばいいのかもしれないが、その辺りの調節が難しそうとの事でした。

この日は朝からこのドビ流しを見させていただきましたが、池の水がなくなった姿はかなり印象的でした。また、昨年との生息数の違いが多く出たところに、面白さも感じました。

興味を持たれた方は、来年ドビ流しが行われる際は、ぜひ足を運んでみてください!

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